写真で綴る、自然とのふれあい日記
by shirabiso
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栂海新道(白馬岳から日本海縦走登山) 3日目  

2003/7/28

 早朝、小屋の窓から糸魚川の街の明かりが見えていた。日本海に近づいたのを感じる。
 5:15小屋発。今日も上々の天気である。
 今回の山行、とにかく暑さとの戦いだと思っていた。だが皆の普段の行ないが良いせいか、朝夕は晴れ、日中は適度にガスがかかって夏の日差しを遮ってくれる。気温も大陸の高気圧のおかげでそれ程暑くない。栂海を歩くには絶好の気象条件であった。
 今日も3人、快調である。Oさんはお腹をグーグーいわせながらもガンガン先頭を歩いていく。Yさんもこの長いコースを不安がっていたが、日ごとに調子を上げ、飯豊での滑落で凹んだ気持ちもすっかり元に戻った様子である。
 白鳥山までいくつピークを越えただろうか。気象条件に恵まれているとはいえ、やはり暑い!大汗をかき、いいかげんアップダウンの繰り返しに滅入ってきた頃、白鳥山に辿り着く。
 8:15。ここから日本海が見えるかと期待していたが、眼下には雲海が見えるのみ。なかなか待望の日本海はその姿を現してくれない。親不知で海抜0mになるようにPRO-TREKの高度計を調整する。
 ここからはガンガン下りだ。坂田峠まで転げるような急坂を降りていく。途中の水場で頭から水をかぶり一息。
 10:00、坂田峠着。ここからまただらだらと登りになる。尻高山、やっと木々の間から海が少し見える。だがまだ二本松峠を越えアップダウンが続く。最後の419mポイントで息を整える。高度計も最終調整。(このままでは海に30mぐらい潜らないと海抜0mにならないので)
a0094730_15203651.jpg フィナーレが近づき気持ちがワクワクしてくる。
 13:00、国道脇にある親不知観光ホテル着。ザックを下ろし、海までの階段を興奮しながら下りていく。感動の日本海がそこに待っていた。白馬から日本海まで、よくも歩いてきたものだ。日本地図で見てもその歩いて距離が分かる。感動である。靴を脱ぎ、3人で日本海の水に足をつけ、記念撮影。その後、親不知観光ホテルの雄大な展望風呂へ。客は誰もいない。私はビールを右手に45度に傾け、左手は腰に、両足は肩幅に広げ、眼前に広がる雄大な日本海の景色を見ながら、一人湯船で正統なる仁王立ちグビグビスタイルをとるのであった。ぷっふぁ~、しあわせ! 

 その日は越中宮崎に移動し、ヒスイ海岸前にある民宿にて、し・あ・わ・せ!!な日本海の幸に酔いしれるのであった。岩ガキうまかった~~!!!(事前に予約しておいたので、生ガキに焼きガキと3人で大皿3皿も出てきたのだった)

 この山行、暑くて長くてつらい山行を覚悟していたが、冷夏のおかげでとっても歩きやすく、個人的にも心に深く印象に残った山行でした。
 はぁ~~、よかったな~~。
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by shirabiso | 2003-07-28 21:05 | 山登り・温泉

栂海新道(白馬岳から日本海縦走登山) 2日目  

2003/7/27

 3時起床。緻密な計画では、徐々に明けていく荘厳なるモルゲンロートを眺めながら、優雅に外で朝食をとる予定であった。そのために美味しいパンとスープを準備していた。だが寒いのでやめた。自然には逆らってはいけないのである。
a0094730_15112973.jpg 小屋の中で朝食を済ませ外に出る。空と陸の境界線が赤く染まっている。まだ夜のとばりを残している空には、弓のように細くしなった26夜の月が浮かんで見える。あと15分早ければ、境界線の赤い光が、もっと神秘的に見えたのだが、まー仕方がない。寒いのだから。
 私の一番好きな「日の出1時間前」を30分過ぎたAM4:10、避難小屋を後にする。雪倉岳の頂上あたりで日の出を迎えられそうだ。ヘッドランプの明かりはもういらない。景色が刻々と変化していく。雪倉岳頂上には日の出5分後に着いた。
a0094730_1512066.jpg 壮観である。妙高・火打の横から昇った太陽は、日本海側の雲海に光を差し込み佐渡島を浮かび上がらせ、白馬岳・剣岳に光を当てる。雪渓を白く輝かせ、高山植物の花々に色を与える。誰もいない我々だけのピークからの眺めである。贅沢な朝の時間である。
 のんびりといつまでもこの至福の時を味わっていたいところだが、今日の行程も長い。後ろ髪を引かれながら雪倉岳を後にする。
a0094730_15155945.jpg 昨日同様、このあたりも高山植物がとても多い。標高が下がると植生も変わり、次々と新しい花が現れ、名前も分からぬ無知な我々の目を楽しませてくれる。
 雪倉岳から一気に下り、しばらく平坦な道を歩いた後、朝日岳への登りにさしかかる。
 昨日ご馳走になった笹を今晩もう一度と思い、道端の太めの笹を先端から30cmのところでポキっと収穫する。食い意地のはった3人はポキポキポキポキと収穫していく。収穫した笹はYさんのザックの脇に挿していく。あっという間にパンダが喜びそうな笹ザックになってしまった。
 一本休憩をいれていると、アカゲラが目の前の木に飛んできた。特にこちらを気にする様子もなく餌となる虫を探しているようだ。あの「コンコンコンコン」というむち打ちになりそうなパフォーマンスはあまり見せてはくれなかったが、このあたりの人擦れしていない自然の豊かさを感じさせてくれた。
 登り1時間30分、大汗をかきながら8:50、朝日岳着。ガスが湧いてきて遠望は利かないが、360度見渡せる気持ちの良い山頂である。4人パーティーが先着していたが、栂池へ向かうとのこと。日本海へ向かうパーティーにはいまだ遭遇していないが、この先誰かと会うのだろうか?事前の情報では、最近栂海新道を歩く人が増えてきているとのことだったが。
 9:45、栂池との分岐着。「栂海新道」、読んで字のごとく栂池と日本海を結ぶ道である。我々の栂海新道はここからがスタートとなる。(白馬からここまで歩いてきたのは何だったの?おまけ?いえいえ『海抜3,000mから0mへ』の為なのです。) 栂池との分岐には、この栂海新道を作ったサワガニ山岳会の道標が立っていた。アルミ版に文字の部分をくりぬいた道標である。手間はかかっているが、あまり良い出来ではない。が、どことなく愛着が湧く。この先日本海までポイントごとに道標があったのだが、その道標を見つける度に「おっ、サワガニの道標があったよ」と和むのであった。a0094730_15181061.jpgこの後も、地塘あり、お花畑あり、雪渓ありと何かと変化に富んだ快適ルートが続く。ヒオウギアヤメという初めて見る花もあったし、何よりも水芭蕉が可憐な姿を保っているのに感動した。最近見る水芭蕉は、どこもかしこも栄養過多の様子でお化け芭蕉と化してしまっているようだが、この辺りの水芭蕉は15cm位の本来の可憐な大きさを保っているものが多かった。まだまだ人の立ち入りが少ない証拠である。「さすが栂海新道、やるじゃないか!」と見なおしてしまったのであった。
a0094730_15172129.jpg 12:45、黒岩山着。まずまずのペースだろうか。でも白馬以来、常にコースタイムより時間がかかっている。そんなに遅くはないつもりなのだが、、、原因は簡単だった。道草が多かったのだ。花に見とれ、景色に見とれている時間が多かったようだ。黒岩山から犬ヶ岳までは早かった。笹尾根の為、花も少なく、ガスもかかっていて眺望も利かない。淡々と歩いたおかげで3時間コースを2時間ちょっとで歩いてしまった。
 犬ヶ岳手前でおいしい水をたっぷり汲み15:45、栂海山荘着。小屋には先客が2名いて、我々と同じく、明日日本海へ下るらしい。小屋の2階を陣取り、荷物をぶちまけ、手足を伸ばす。ふぅ~、お疲れ様でした。さすがに今日は長かった。持参した梅酒で乾杯! 早速昨日の味覚をもう一度とばかり、今日収穫した笹を焼き始める。が、どうも上手くいかない。昨日もらった笹は確かに食べるところがいっぱいあったのに、こうして自分達で焼いてみると1cm位しか食べられないのである。後はスジばかりが残って、パンダじゃあるまいしとても食べられたものではない。焼き方が悪いのか、笹の種類が違うのか、結局分からないまま食べかすばかりが山の様に残ってしまったのだった。笹の道は奥が深い!
 今日、栂海新道に入って、親不知から登ってきたという単独行4人とすれ違った。最初に会ったのは「めざせ、穂高!」と気合い満々の丹沢ボッカ隊。が、穂高に着く頃には一歩引いてしまう強烈体臭男と化しているかもしれない。その他「黒岩山はどこ?どこ?」とMDウォークマンを聴きながら余裕で歩いていた外国人や、汗をたっぷり吸った白いTシャツに、ぷっくらした白くて丸いお腹をくっきりと透けて見せる体脂肪男などの方々であった。この栂海新道を登ろうという方々は、皆ちょっと変わっているのかもしれない。
 さて栂海山荘のことで記しておかなければいけないことがある。ここのトイレは空中トイレで有名らしい。小屋からちょっと離れた急勾配の斜面に、網状の鉄製足場の様なものを張り出して作られている。すなわち用を足すトイレ先端部分は空中に浮いている状態であり、こんなところで落ちて遭難するととっても恥ずかしく、「10分たって戻ってこなくても探さないで」と他メンバー陣はのたまっておられた。ちなみにこのトイレ、使用した紙は持ち帰るようにビニール袋まで用意されていたが、私は持ち帰るのは嫌なので、翌朝、朝露で適度に濡れた葉っぱを5枚ばかりちぎっていった。
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by shirabiso | 2003-07-27 21:16 | 山登り・温泉

栂海新道(白馬岳から日本海縦走登山) 1日目  

   私の夏休み --- 栂海新道編--- 
      『海抜3,000mから0mへ』 『岩ガキ、食べるぞ!』

【行程】2003/7/26 猿倉~白馬~雪倉避難小屋
         7/27 雪倉避難小屋~朝日岳~犬ヶ岳~栂海山荘
         7/28 栂海山荘~白鳥山~親不知海岸
         7/29 帰京

 「栂海新道」、北アルプスの栂池と日本海の親不知を結ぶ、地味なルートである。地元のサワガニ山岳会がこのルートを作って、今年がちょうど30周年だそうだ。だが、このルート、長いうえに標高の低いところを何度もアップダウンを繰り返す為、暑い! 真夏に重たい荷物を背負って、奥多摩や丹沢を縦走するようなものだ。下山口(親不知から上り始める変わり者もいるが、、、)が日本海でなかったら、「絶対このルート、廃道だね。」と私は確信している。だが親不知は下山口であり、日本海であり、海抜0mなのであった。そこに大きな意義が生じる。
 今回のテーマは『海抜3,000mから0mへ』
 これが『海抜3,000mから847mへ』などと中途半端な数字では力も湧いてこないし、「このルート、廃道だね!」とそっぽを向いてしまうところである。
 そしてサブテーマが『岩ガキ、食べるぞ!』であった。このサブテーマに対する目的意識も非常に大きかった。
 この二大テーマを頭と胃袋に意識しながら、緻密な計画は立てられていったのであった。
 メンバーは以前からこの地味なルートを歩きたいと言っていたOさんと、「栂海新道、wa~すてき!」と言ったやはり変わり者なのかYさん、それと緻密なプランナーの私である。(Yさんは直前の飯豊山行で3mほど滑落し、かなり凹んでいたが、なんとか気を取り直し、参加となった。)

a0094730_14572141.jpg 7/26 ムーンライト信州の車窓から、唐松岳・白馬三山の山並みが、朝陽を浴びてくっきりと蒼い空に浮かび上がって見えている。まだ梅雨明けはしていないが、文句なしの快晴である。白馬岳、久しぶりである。
 白馬大雪渓を登るのは今回が3回目。だが以前登ったのは随分と昔の話。懐かしい。(あの人は今ごろどうしているのやら。誰だ、それ)
 道の所々に見覚えがある。この雪渓の広さ、周りの山々とのコントラストの美しさ。やはり良いところである。人気があるのも無理はない。無理はないが、ん~ん、私の周りのこの人々を何とかしてほしい。黄緑色のキャップを被った団体や、ピンクのタオルを持った団体や、「読売旅行の人~、アイゼンはここで外して~」の団体や、「は~い、3班の人~、出発しますよ~」の団体や、ふぅ~、疲れる~。そんな人々に挟まれ、大雪渓の上から下まで一本の線でつながった行列の構成員と化し、とぼとぼと登っていく。今年は土石流があった影響で、雪渓上のルートが例年と変わっている。本来なら落石の影響を受けにくい雪渓の真中にルートが付いているのだが、今年は左側に付いている。危険なところにはパトロールの人が立っており、行列をコントロールしていた。ご苦労様です。
 雪渓の上部に着く頃からガスが湧いてきて、視界を閉ざす。
 白馬山荘13:10着。今日の泊まりの雪倉岳避難小屋は水が無いため、ここで補充する。夜行疲れと行列疲れに加え、水の重さがどっと堪える。
 13:55白馬岳山頂着。『海抜3,000mから0mへ』のスタートラインである。(平常、白馬岳は2,932mなのだか、今回特別に3,000mまで隆起してもらった。)
 頂上を過ぎると極端に人が減った。静かな山旅が楽しめそうである。白馬大池への分岐を過ぎると更に人が減り、そして素敵な世界が待っていた。高山植物の花花花。ウルップソウにコマクサにハクサンイチゲにタテヤマリンドウにタテヤマウツボグサに、その他なんだかよく分からない沢山の綺麗な花々が咲き乱れていたのだった。そしてガスから抜け出し視界が広がると、a0094730_1459533.jpgいつのまにやら所々に残雪を蓄えた見慣れない山々に囲まれており、眼下にはキラキラと太陽光線を反射させているかわいい池が現れ、その周りを木々が覆い、Yさん曰く、「ブータンに似ている」らしいちょっと異国ムードを漂わせる素敵な別天地が待っていたのだ。今回のメンバー3人とも白馬大池への分岐以北は初めてだったので、景色がとても新鮮で、感激である。ちょっと歩いては立ち止まり、またちょっと歩いては立ち止まり、のんびり、ゆっくり、景色を堪能しながら歩いた。
 16:15、雪倉岳避難小屋着。地元の人らしい3人組が、すでに宴会を始めていた。ニリンソウのおひたしに、アマ草(?)、なんとか笹の炭焼き等々、ご相伴にあずかった。美味であった。a0094730_1511270.jpgさすが地元の人達である。 でも私は白馬からの水が重たかったのか、ちょっとだけ食べてダウンしていた。夕食のウナギもあまり食べられなかった。残念無念。(生涯2度目である。前回もやはり水をボッカして食欲ダウンした記憶がある。)でも少し寝た後すぐに復活。
 雲海に沈んでいく美しい夕日を静かに堪能したのであった。
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by shirabiso | 2003-07-26 20:57 | 山登り・温泉